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【書評・ブックレビュー】 『断食芸人』 フランツ・カフカ

感じない人間には、わからせることはできないのだ。

 人には、承認欲求という感情があり、これには他者承認と自己承認との二つの種類がある。職人やアーティストなど芸を志したり一つのことを追求するような人は、この二つの承認欲求を生きる糧としているのではないだろうか。重要なのは、これら二つの他者承認と自己承認は必ずしも一致しないことである。このジレンマはいい意味では創作活動のモチベーションとなるが、一方では逃れられない孤独を浮き彫りにする。

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【書評・ブックレビュー】 『どくろ杯』 金子光晴

できれば、妻をその恋人からひきはなすための囮にかけたパリまでのこの先の旅など、手つけながれにして、忘却の時間をかけてなんとか立直るまで、この上海の灰汁だまりのなかにつかっていてもいいとおもった。

 戦前の日本人にとって、海外経験は意外にありふれたものだったのかもしれない。海外旅行は現在とは比べものにならぬほど困難であったが、移民や出稼ぎなどの長期滞在・永住の経験については随所で耳にする。世界各地で日本人のコミュニティが組織され、独自のネットワークを築いてもいたらしい。そして、それらの点と線を結ぶようにして行きつ戻りつしている人々の中に、彼ら「ごろつき」がいたのである。

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【書評・ブックレビュー】 『冬の蝿』 梶井基次郎

私は日を浴びていても、否、日を浴びるときはことに、太陽を憎むことばかり考えていた。

憎悪と憂鬱

 むき出しの敵意を向けてくる相手よりも、優しく温かいなりをした相手、それでいて終いには自分を陥れるであろうその相手を、我々は一層深く憎むことがある。しかし、そもそも表情や態度すら読み取れない相手には、漠然とした恐怖と底なしの無力感とをもって接するより他にない。

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【書評・ブックレビュー】 『蜘蛛の糸』 芥川龍之介 

しかし極楽の蓮池の蓮は、少しもそんな事には頓着致しません。

 芥川龍之介の短編である『蜘蛛の糸』は、あらすじだけ聞けば、いましめや教訓めいた物語のようだが、これは「人間の性」と「人生の無常観」を象徴したようなものであるとも読むことができそうである。

 かん陀多は、悪行の限りを尽くしていた中、「気まぐれ」によって蜘蛛を助けた。 御釈迦様もまた、かん陀多にチャンスを与えようという「気まぐれ」によって蜘蛛の糸を地獄に垂らした。

 きっかけはどちらも些細なことかもしれないが、 続きを読む

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